読みやすいと思う入門書の紹介

ここでは,講義ノートの作成,学部生向けの輪講などの機会に,あるいは自習用に読んだ本の中から,学生に薦められそうなわかりやすく丁寧に書かれたものを紹介します.洋書ばかりですが,和訳されている本もあります.Dover出版のペーパーバックの本は古典的な名著が多く,しかも安価に購入できるので,自分に合った適当な本を見つけて読んでみることをお勧めします.最近読んだ本には,自分の持った印象をなるべく書いておくようにします.

教科書として書かれているもの

  • E. Fermi, Thermodynamics (Dover, 1956). (和訳有)
  • E. Atlee Jackson, Equilibrium Statistical Mechanics (Dover, 2000).
  • H. W. Liepmann and A. Roshko, Elements of Gasdynamics (Dover, 2002). (和訳有)
  • Frank Jones, Lebesgue Integration on Euclidean Space (Jones & Bartlett, 2002).
  • G. B. Folland, Fourier Analysis and Its Applications (ITP, 1992).

副読書として薦められるもの

  • H. C. Van Ness, Understanding Thermodynamics (Dover, 1983).
  • Mark W. Zemansky, Temperatures Very Low and Very High (Dover, 1981).
  • William D. Lakin and David A. Sanchez, Topics in Ordinary Differential Equations (Dover, 1982).
  • G. Worster, Understanding Fluid Flow (Cambridge University Press, 2009).

著者はJournal of Fluid Mechanics誌の編集長.アフリカ数理科学研究所での講義をもとにしたコンパクトな流体力学の解説書.前書きにある「Fluid dynamics as a discipline sits squarely between physics and mathematics」という著者の見解に共感をおぼえる.この見解がうまく反映されたバランスのよい解説書であると思う.本文は100ページ程度で読みやすい.

  • H. G. Hornung, Dimensional Analysis (Dover, 2006).

次元解析の方法を用いて,様々な流体力学の話題を扱ったコンパクトな解説書.本文は66ページと短い.はじめの2章を読めば後は興味のある章だけを選んで読むことができると思うが,4章までは順を追い,考え方になじむのがよいかもしれない.話題は章毎にまとまっており気軽に読める.なお,最後の章は統計力学の話題であるが,そのアイディアがW.H. Liepmann(「教科書」#3の著者)によるものだと述べられている.印象に残る出来事だった.

  • P. Atkins, The Laws of Thermodynamics: A very Short Introduction (Oxford University Press, 2010).

著者は,邦訳もある物理化学の定番教科書でも知られている.とくに4章の自由エネルギーと5章の熱力学第3法則を面白く読んだ.副題の通り,新書版で100ページ弱の手軽さだが,とても上手に書かれていると思う.

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